カルバペネム系・モノバクタム系

β-ラクタム系薬についてまとめてきたが、残りの2種類についてまとめていこう。
他の薬剤もまだまだあるので気長にまとめていこうと思う。

まずは、抗菌薬最後の砦と称されるカルバペネムについてまとめる。


特徴
  • β-ラクタム系として特に広域に効果を示す
    緑膿菌、腸球菌、嫌気性菌、ESBL産生菌など
  • 薬剤も教科書に載っている数も限られ、名前も略字も比較的親しみやすい
    メロペネム(MEPM)
    イミペネム(IPM)
    ドリペネム(DRPM)
    パニペネム(PAPM)       etc…
  • 近年は、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)やカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)が問題となっている

カルバペネムが効かない細菌S. maltophiliaE. faeciumが挙げられるが、この菌種は、他のβラクタム系も耐性であるため、他の抗菌薬に頼ることとなる。出題時には、これを知っておけば、消去法を使いやすくなるぞ!!


モノバクタム系

β-ラクタム系薬の中でも影の薄い存在

特徴
  • グラム陰性桿菌に限定された抗菌スペクトルを持つ
  • アズトレオナム(AZT)が代表
  • 就職してから、いまだこの抗菌薬で治療している人を見たことはない。
学生
学生

だったら、覚える必要ないんじゃないの?

そこは、待っていただきたい!!
国家試験でこんな問題を出されたどうだろう?

問. ESBL産生菌に対して耐性(R)と判定される薬剤はどれか。正しいものを2つ選べ

1.セフォタキシム(CTX)

2.レボフロキサシン(LVFX)

3.メロペネム(MEPM)

4.アズトレオナム(AZT)
5.セフメタゾール(CMZ)

答.1

簡単と感じる人もいるだろうが、国家試験の緊張感の中、影の薄いAZTの名を出されると怪しく思えてきてしまう。
2つ選択問題は、一つはすぐ判断できるようになっていることが多いが、2つ目を選択するのが難しい。
こんな問題出ないよ。と思っている人も、頭の片隅にかすかに残しておいてもらえると、AZTもとても喜ばしいと思う。

親しみへの一歩

最近、とある会社から「アルツハイマー病」に対する新薬が発表された。

感染症分野では、新薬の開発は中々聞かない。それはなぜか。

様々な理由があるが、抗生剤は感染症が治った後もずっと飲み続けるか。答えはNOだ。

高血圧症やアルツハイマー病患者は、薬を飲み続けて効果を維持することが多い。

感染症のように5~7日飲んでおしまい。だと、製薬会社の利益も出づらい。そのため積極的な参入は難しい。

はたして、耐性菌の多様化が懸念されるこの時代に、新しい抗生剤は発表されるのだろうか。

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